そんな時に出会ったのが藤原和博さんの考え方だった。
ご自身の著書の中で、藤原さんは「特定の分野で1万分の1の人材になるのではなく、2つの分野で100分の1の人材になることができれば、その掛け合わせで(1/100×1/100=)1万分の1の人材になることができる」と説いていた。
まさに「特定の分野で1万分の1の人材になろう」と、ずっともがいていた自分にとっては目からウロコが落ちるような衝撃だった。
「そうか、掛け算にすればいいんだ!!」
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僕の得意だと思えるスキルは全部で7つ。もちろん、全て突出したものではなく「平均的にそれなりに」できる偏差値60の実力だ。でもそれらを全体の15.9%(およそ6人に1人)の人材だと計算し、それらを掛け合わせると、
1/6×1/6×1/6×1/6×1/6×1/6×1/6=1/279,936
「俺は…279,936人に1人の逸材だったのか!」
スキルひとつひとつはトップ1%の一流の技術でなくても、これらを全て持ち合わせている人は自分ぐらいしかいない。
そう考えると、そんな自分を誇りに思うことができた。「自分にしかできないこと」はもうすでに僕の中にあったんだ。
今まで、心のどこかで常に誰かと比較しながら自分を評価していた。そして一位になれなければ、そんな自分を責めていた。
でも今は違う。「自分はあれも出来るしこれも知っている。この組み合わせは僕にしかない才能で、他人と比較する必要なんてないんだ」と思えている。
こうして僕は、他人との比較ではなく、自分の価値が自分らしく発揮できているかどうかを評価できるようになった。
僕が経験したこと×僕に出来ること×僕のやりたいこと=自分にしかない価値を自分らしく発揮出来ること。それが僕の「在り方」だった。
もし何かをうまく出来なかった時、大きな挫折を経験したとき。
あなたが自分を否定する必要は一切ない。世間はお前はだめだとかできそこないだとかいうかもしれないけれど、それは他人の評価であって、あなたの評価ではない。
あなたがあなたとして生まれてきたのには何らかの価値があるし、他の人にはできない何かをもうすでに絶対に持っている。
落ち込んでいる時は、自分にないもの、足りないものに目が行きがちだけど、そんな時こそ自分にあるものに目を向けてみてほしい。
他からなんと言われようが、どんなに結果がでなくてもあなたが今持っているものに価値がある。
目標に向かってちょっと背伸びするくらいのチャレンジをしてみてほしい。結果にこだわらず、「チャレンジした」ということにフォーカスしてほしい。今までやったことのないことを褒めてあげてほしい。
チャレンジできるということは、本当に素晴らしいこと。
世の中には、様々な理由で明日を迎えられない人たちがいるのだから。
今、チャレンジできるという幸せをかみしめて、多くの人が自分だけの価値を、自分らしく輝かせることが出来ますように。
これが僕のKey Page…
掲載日:2018年11月29日(木)
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川口美樹のエピソード一覧
元俳優・執筆家・講演家
川口美樹(かわぐち よしき)
オールマイティに何でもこなせた。でもいつも一番にはなれなかった。自分だけのフィールドを探し続けた先に見つけたのは、自分だけの「在り方」だった。