富岡健 Episode4:自分の人生に責任を持って。 | KeyPage(キーページ):起業家の「人生を変えたキッカケ」を届けるメディア

» 富岡健 Episode4:自分の人生に責任を持って。

バーをやったりシェアハウスをしたり、成功者の考え方を伝えるセミナーをしたり。
いろいろ挑戦していた僕だったけれど、突然子どもを授かり、付き合っていた彼女と結婚。26歳だった。

プライベートもしあわせの絶頂、全国に人脈が出来ているので仕事も何をやってもそこそこ行ける。
少し前から関心を持っていたのが投資だった。あるピンときた案件に出資を募り、数億円を投資。
……なんと、それが詐欺案件だったのだ。
もちろん、僕が騙そうとしたわけじゃない。でも、僕の信用で集めたお金だった。
出資した仲間にとって、僕は加害者も同然だった。

我が子や妻という守るものがあったからなのか、ひどい落ち込み方はしなかった。
その代わりどうすべきかを冷静に考え、何人かの弁護士に相談した。どの弁護士にも自己破産を勧められた。

僕が自己破産をすれば、被害者に対する支払い義務はなくなる。「ごめんなさい」と謝って終わり。
「……それでいいんだろうか。本当に」

僕には、お金がないとか騙し取られたとかいう理由で死なない自信がある。
僕ひとりの問題と捉えるなら、「僕も騙された側だし」と自己破産して頭を下げてケリを付けるのもひとつだ。
けれども今回、僕を信用してお金を出し、騙されたことで、死にそうになった仲間がいた。そんな事は人生で初めてだった。
僕ひとりの問題、自己破産して謝れば済むこと、とは思えなかった。

「騙された僕にも責任がある」

被害者として生きるのは、違う。この詐欺に限った話じゃない、人生に対する姿勢の問題だ。
我が子や次世代の子どもたちに見せられる背中なのか、どうか。

僕は被害者じゃなくて責任者として生きる。
誰かのせいで不幸になったり、誰かのせいにして問題から逃げたりするのではなく、
どんな不都合も、もちろんステキな事も、自分の責任として引き受けて生きる。

このお金を返すことで、彼らをこの案件に巻き込んだ責任を取ろう。
それが僕なりの誠意だ。仲間に対しても、ほかならぬ自分自身に対しても、それが誠意というものだ。

2年半を掛けて、騙し取られた金額の3分の2を返済した。
もちろん離れて行く人もいたけれど、
その姿勢をとおして、それまで以上に僕を信じてくれるようになった人もいれば、僕を助けてくれる人も現れた。
僕を信じていま付き合い続けてくれる人、新たに助けてくれるようになった人、もちろんずっと支えてくれた家族……。
失うものもあったけれど、こうして手元に残った財産を思うと、あれもかけがえのない失敗経験になっている。

人の夢を応援することで、全国に仲間が出来、僕の世界は広がった。
昔は自分に直接関係するところにしか意識が向かなかったけれど、
いつしか、社会とか日本とかいう大きなところもリアルに感じられるようになった。

こんなに豊かな日本という国の自殺率の高さ、特に中学生の自殺率が世界一という悲しい事実。
「夢カフェ」の活動やその夢を具現化するためのサポート事業が、そこに一石を投じる力を持っている、と僕は考えている。

夢はない、やりたい事もない、希望もない……そんな子どもたちの周りに、
もしも笑顔で夢を語り、叶えるために行動している大人が大勢いたら。
その子どもたちは、「夢なんか持てない」とそれでも思うだろうか?
その胸には、たとえ小さくても、何か光が灯るんじゃないだろうか?

大人が夢を持ってキラキラ輝いて生きること、そんな大人を増やすこと、
それこそが閉塞感に息が詰まり夢も持てずにいる子どもたちに希望や活力を与える鍵になる。
そんな子どもたちが、次世代、また次の世代の日本を担うのだから、
いま僕のしている事業はまさしく未来の日本を創る仕事だ。

もちろん、自分自身のためでもあるけれど。いまは社会のため、未来の日本のための事業でもある「夢カフェ」。
機会があったらあなたも顔を出してみてほしい。
夢を語ることを「いい歳して……」なんて思う、昔の僕みたいな人には特に来てほしい。
あの時の僕と同じように、そんなおもいは一瞬で吹っ飛ぶから。夢を持つのはステキな事だと気づけるから。
もしもあなたの胸にくすぶっている何かがあるとすれば、その種が開花するキッカケにきっとなるから。
夢が人生を創る。そして、人が人生を変えるのだから。
未来の日本を支えるために。

これが、僕の掴んだKeyPageです。

掲載日:2018年03月11日(日)

このエピソードがいいと思ったら...

この記事をお気に入りに登録

株式会社The Next Create CEO

富岡健(とみおか けん)

夢を語り応援し合う朝活「夢カフェ」事業をおこなう富岡健さん。人の夢を応援することで世界が広がったという富岡さん、もとは自分以外にあまり関心を持たない青年でした。その生き方を覆したキッカケとは……?

エピソード特集