西村義信 Episode1:出逢いによって人生は変わる。環境によって人は創られる。 | KeyPage(キーページ):起業家の「人生を変えたキッカケ」を届けるメディア

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シャイボーイ。人目を気にして、誰ともまともに話せない。
見た目もダサければ、中身もサエなくてつまらない。眉のつながっていた中学時代についたあだ名は「砂鉄」。
高校デビューしようとバンドブームに乗ってギターを買ったものの、
バンドを組む友達もいなければ仲間を募るコミュニケーション能力もなかった。

心配だったのだろう、親父は僕にいつもこう言っていた。
「しっかり勉強して、公務員になるか、一部上場企業に就職しろ。世の中、安定が一番だ」

大学を出て僕は一部上場企業に入社。大手コンビニエンスストアの店長職を任されて2年が過ぎた。
ルーティンワークに飽きていた。ゼミの優秀な同期たちの近況に、ひとり焦ったりもする。

そんなある日。

「仕事が楽しみならば人生は楽園だ。
仕事が義務ならば人生は地獄だ」

本屋で、僕はしばらくその場から動けなかった。
ゴーリキという作家の遺した言葉だった。

確かに、男の人生の3分の2は仕事だろう。
その仕事がただ安定のため、お金のための忍耐と苦痛の時間だとしたら……。

1ヶ月後、僕は退職した。親父は何も言わなかった。

将来起業したいという漠然としたおもいもあり、営業力をつけようとその後訪問販売の会社に就職。
社員が逃げないよう受話器と腕をロープで縛るようなブラック企業だったが、そこで僕は尊敬できる上司と巡り会った。

僕ら部下に対しても厳しいが、自分にも厳しく、目標として立てた数字は言い訳せずきちんと達成する。
営業トップのH支店長。カリスマ性があり、そのリーダーシップに僕は憧れた。
中途採用の同期200人の次々と辞めるなか、
支店長に憧れてファッションを真似し、しゃべり方を真似し、自分なりに成績を伸ばそうと努力する僕はかわいがられた。
結果を出すとキャバクラに連れて行ってもらえた。

とにかくシャイでコミュニケーション下手だった僕。支店長との出会いをとおして僕は少しずつ変わっていった。
コミュニケーション下手だった僕が、コミュニケーション能力の最も必要とされる営業という分野で全国3位の成績を出していた。
学生時代のサエなさが一転、女性との交際もできるようになった。

出逢いによって人生は変わる。環境によって人は創られる。
人は、いつからでも変わることができる。

自らの変化、体験をとおして掴んだ確信だった。

掲載日:2017年09月01日(金)

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東京ラバーズアカデミー代表

西村義信(にしむら よしのぶ)

男性向け恋愛予備校「東京ラバーズアカデミー」を経営する西村義信さん。昔の自分のような男性たちのためにと奮闘するなかうつ病を発症、その克服過程で気づいた、人生の本当の支えとは……?

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