加藤夏裕 Episode2:自分を発信するキッカケを探して。出版・広告業界での経験 | KeyPage(キーページ):起業家の「人生を変えたキッカケ」を届けるメディア

» 加藤夏裕 Episode2:自分を発信するキッカケを探して。出版・広告業界での経験

勉強自体は数字で明確な答えの出る理数系が好きだったので、大学では理系に進みましたが、就職先は出版業界を選びました。自分の考えを世の中に発信するにはどんな方法があるか。自分の書籍や雑誌を出したり、Webページを作ったりしてみたいけれど、どうすればいいのか。
そのノウハウを学ぶべく、父方の家系がサラリーマンだった影響も受けて、まずは出版業界に就職することにしました。

とある大手の出版会社に入った僕は、フリーペーパーの流通部門に配属されました。その会社は大手企業にも関わらず自由闊達な雰囲気で、「おまえが正しいと思ったことをやれ」と、社員一人一人の裁量に任せていました。だから僕は、いろんな業界へ飛び込み営業をかけ、自分が正しいと思うことを信じて自由に仕事をしていきました。既存のお客さんも持っていましたが、新しいものを立ち上げたいという想いが強かったので、新規開拓には人一倍力を入れました。

例えば、今までフリーペーパーを設置したことの無いショッピングモール。既存のラックを設置してしまうと、顧客側のブランドイメージが壊れてしまう。そんな時は、顧客のブランドイメージに合うようなラックの開発から手がけました。在職中、関わってない業界は無いんじゃないかというくらい、僕はいろんな業界のいろんな人に会いました。名刺は大きな名刺収納3箱分がいっぱいになりました。

やりがいのある仕事、手を上げれば自由にやらせてもらえる環境。会社の仕事はとても楽しい。でもその一方で、自分が本当にやりたいことである、「自分の考えの表現」はまだやれていないな、と感じていました。

そこで僕は、広告業界に興味を持ちました。自分で広告表現をしてみたいと思ったんです。
転職活動をし、僕は大手の広告会社で働くことになりました。広告マンとして過ごす毎日は、噂に聞いていた通りの忙しさでした。日々激務に追われ、勉強することはたくさんあり、組織内での序列もはっきりとしていて。配属されたチームが社内でNo.1~2を争う超大型顧客を担当していたので、チームの雰囲気が厳しかったというのはあるのかもしれません。

ただ、僕は前職との大きすぎるギャップを感じざるを得ませんでした。
前職では自由に、いわば「放し飼い」のように扱ってもらえていて、自分の信じる通りに自由に行動を起こすことが出来ました。けれど新しい職場が求めてきたことは、同じチームに所属する50人がとにかく足並みを揃える事でした。全員の意志や行動の統一が何より重要で、そのリズムを乱すようなことは決して許されない。乱してしまった際には強く非難されてしまう。「自分」を出すことが非常にネガティブに捉えられていた環境下で、僕は前職の時と比べて10%も力を出せていないんじゃないか、と日々不満が募っていきました。
結局、抑え込まれていた感情、つまりもっと自由に自分を発信したいという欲求が爆発しそうになった僕は、激務で心身がだいぶやられていたこともあり、わずか1年弱で退職することになりました。

02

掲載日:2016年11月23日(水)

このエピソードがいいと思ったら...

この記事をお気に入りに登録

『朝♪クラ~Asa-Kura~』代表

加藤夏裕(かとう なつひろ)

カフェでクラシック音楽を聴き、参加者同士で交流する朝活「朝♪クラ」を主催している加藤夏裕さん。その斬新なブランドを確立させたキッカケは、子供時代の体験と、たまたま参加した朝活での出会いだった。

エピソード特集