大里千尋 Episode2:世界一周で知った人々の優しさ、日本人としての誇りとは。 | KeyPage(キーページ):起業家の「人生を変えたキッカケ」を届けるメディア

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世界のことをもっと知りたい、理解したいと思うようになった私は、高校生になって国際情勢のことばかり考えていた。
ちょうど9.11やイラク戦争が勃発し、複雑な思いで報道を見つめていた。この世界では毎日毎日悲惨な出来事が起こっている。それでも私の暮らす街は穏やかで美しく、平和だった。

自分の目で何も見ていないのにわかったような気になっているのが嫌になった。
そうだ、直接見に行こう!と、大学4年生の時に4カ月ほどかけて世界一周の旅をした。ベトナム、シンガポール、インド、エジプト、アフリカ、ギリシャ、トルコ、スペイン、イタリア、フランス、イースター島など……。
いろんな国の人々の優しさは忘れることができない。特にトルコの人々はみんな親切だった。

一番印象に残っているのは、アフリカ大陸の北西にあるスペイン領のラス・パルマス諸島だ。グラン・カナリア島のテルデ市には「ヒロシマ・ナガサキ広場」という名の場所がある。この広場の中央に「九条の碑」があった。これは日本の九条、つまり戦争を放棄した日本を称えるための記念碑。
日本国憲法第九条の一文がスペイン語で刻まれている。

こんな遠く離れた地なのに日本をよく思ってくれている人たちがいる、ということがとてもうれしくて、なんだか誇らしい気持ちになった。
この旅は私に、たくさんの大切なことを教えてくれたのだった。

掲載日:2017年09月15日(金)

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大里千尋(おおさと ちひろ)

心を開くことを恐れていた私が、3.11をキッカケに夢を見つけた。 世界一周をしたり、仕事をやめて被災地でボランティアをしたり。人の優しさ、人とぶつかる苦しさの中で知ったこととは……。

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