尾熊英一 Episode4:「フツーの俺でいい」。いまできる事を精いっぱいする喜びを知っているから。 | KeyPage(キーページ):起業家の「人生を変えたキッカケ」を届けるメディア

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どんなに忙しくても、どんなにスタッフが足りなくても、いま目の前にいるお客様、目の前の誰かに対して「いまの自分」にできる事は必ずある。そう肚をくくったあの日から、俺のものの見方も行動も変わっていった。

お客様はもちろんスタッフに対しても自ずとそんなふうに接するようになり、美容室の雰囲気も売上もどんどん変化していった。
店長職の傍ら、老人ホームや養護施設に訪問してカットするようになったり、母校の美容学校で非常勤講師をしたり、美容業界にこだわらず出身中学校に押し掛けて特別授業をさせてもらったりし始めた。

コミュニケーションやカウンセリングについても学んだ。
それこそ、俺の仕事、そして人生への向き合い方を覆してくれたあの出来事――病気や怪我などでウィッグを必要としている方のメンタルケアやウィッグケアを総合的におこなうための資格があると知り、もちろん喜んで学び、取得した。

美容院にはいろんなお客様がいらっしゃる。病気の方も。がんを発症された方も。健康な方も。
俺の仕事はカットをすること、そして店をまとめること……だけど。だけど…!

本当の俺の仕事は美容師でも店長職でもないと知っている。カットをとおして、店長職をとおして、また非常勤講師業やカウンセリングをとおして、目の前の誰かの人生の変化を見届けることなのだ。そのための道具としてのカット技術であり、そのためのコミュニケーション能力なのだ。

「フツーの大人」になりたかった俺。俺はね、いまだって、「フツーの大人」だと思う。
けれども昔と決定的に違う事がある。

いまの俺は、「フツー」であることを何もしないことの言い訳にはしない。
「フツーの俺」だからこそ、なんにだってチャレンジ出来る喜びを知っている。
「フツーの俺」のそんな姿が誰かの喜びに繋がることを確信している。

ただそれだけなのだ。そして、その違いこそが、人生を決定的に分ける大きな違いなのだ。

一度しかない大切な人生だ!
例えば俺は、せっかく生きるのなら葬式は、一番スケールのデカい国民葬にしよう、おもしろそうだし!なんて思いついて『アクティバー(活動家)』として行動している。

だが、もしその思いつきの壮大さにビビって、あなたが「この人は自分とは違う」なんて思ってしまうとしたら、それは俺の本意ではない。
俺はただおもしろそうだからそう決めただけで、日々している事は実に地道な積み重ねなのだ。目の前の誰かのためにいまの自分にできる精いっぱいの何かをする、という積み重ね。

それは、いまのあなたにもできる事だろう? 
がん患者さんのカットをするだけが社会貢献だと思わないでほしい。例えばコンビニの店員さんにめいっぱいの笑顔で「ありがとう」と言うことだって、そんな積み重ねのひとつなのだ。

これが、あなたに伝えたい俺のKey Page。

掲載日:2017年03月17日(金)

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(株)ル・ジャルダン・アカデミー取締役
社団法人ランブス医療美容認定協会理事

尾熊英一(おぐま えいいち)

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