中山理紗 Episode3:大自然の中で過ごし、大事なことは何か考えるようになったキッカケ | KeyPage(キーページ):起業家の「人生を変えたキッカケ」を届けるメディア

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「今の私には“これまでの自分”しかない。。
だから“これまでの自分”とは全く関係が無いところにいこう。
ゼロベースから、自分自身が本当に大事に思うものを見つけよう。」

そして私は、通っていた大学のとあるプログラムに参加することを決意しました。
それは、長野県にある「千年の森」というなにもない森で、1ヶ月間生活するというプログラム。
水、食料、コンパス、寝袋と最低限の着替えだけを持って、私はバスに乗り込みました。

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ふと見ると、そのバスには私の他にも女性が1人、男性が3人乗っていました。
どうやら同じプログラムに参加するメンバーのようです。

「このメンバーで1ヶ月間生活するんだ…」

都会の町並みを背にして、曲がりくねった山道をどんどん登り、私達を乗せたバスは、目的地である「千年の森」へと入っていく。
そこは、想像していた以上の大自然で、とても人が住めるようなところだとは思えませんでした。

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「本当にここにはなにもないんだ…」

しばらく森を散策すると、以前ここで生活をしていた人達が作ったトイレや、五右衛門風呂などがありました。

私たちは、生きるために何をしなければならないのかを真剣に考え、まずは雨風をしのぐための小屋を作ることにしました。
しかし、小屋ができるまでは当然外での生活です。
あるのは寝袋だけ。
火をおこしたり、川に水を汲みにいったり。
お風呂は3日に一回。
大きな湯船に川から汲んできた水を入れて、火を焚いて、お湯の温度を調節して…一日がかりの作業となりました。

もちろん、電話も繋がらない。
熊や猿を頻繁に目にするような大自然の森の中での生活。
今まで当たり前にあった「火」も「水」も「家」も、ここでは一苦労。当たり前にあるものなんてなにもない。

ある日、火や水のことでメンバーと大喧嘩になり、それをキッカケに私達はそれぞれ別々のところで生活することになりました。

もう「仲間」もいない…

見渡す限り暗く深い森の中で、私はたった一人ぼっち。 ゆっくりと歩きながら、安全そうな場所を見つけて私は不安をごまかすように早々に寝袋に入ることにしました。

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その時、そんな不安をかき消すほどに目の前に広がる大きな星空に、私は一瞬言葉を失いました。

掲載日:2018年11月27日(火)

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NPO法人Kids of Earth代表

中山理紗(なかやま りさ)

NPO法人Kids of Earthの代表として活動する中山理紗さん。自然と人が共存し、地球が笑顔になるために。そんな自身の在り方を見つけたのは、「地球の大自然」と「未来を描く人の力」に触れた時だった。

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