半年長く勤めたおかげで、予定よりたくさん貯金ができた。
そのお金でまずはニューヨークの語学学校に。1ヶ月みっちり英語を学ぶことにした。
チアのポンポンをバッグに、いざニューヨークへ!
「ハイ! あたしはマナミ、日本から来たの。あなたは? 」
「ここを卒業したあとは、この目で世界を見て回るの! あたしの夢はね……」
毎日毎日新しい友達が出来、仲良くなる。
「世界中に友達が作りたい」ひとつ目の夢があっという間に叶っちゃった!
世界中から集まった仲間に、「私の国に来る時は、うちに泊まりにいらっしゃい! 」と言われる。
もともと、観光には何の興味もない私。
その国で仲良くなった人の家に泊まって、現地に溶け込むような旅がしたい、と思っていた矢先に、
全世界に「泊まりに来て」と言ってくれるおうちが出来た。なんてステキなお導き。
半年長く勤めさせてくれた元上司の皆さん、ありがとう!
ひとつ目の夢が叶い、したかった旅もこのままできそうな予感。
ニューヨークを出て、中米、南米、ヨーロッパ、アフリカ……いろんな国を自分の足で回り、自分の目で見て回った。
日本の友達や家族にはSNSで日々の様子や気づきをシェア。
もちろん、ニューヨークや世界中で出来た友達ともSNSですぐにつながってゆく。
シャワーとお手洗いと寝る時以外、ずっと誰かとしゃべっているんじゃないかな。
語学学校で出来た友人のいる国なら、家族ぐるみでお世話になって、あちこち連れて行っていただく。
知り合いのいない国でも、現地で誰かしら仲良くなって、泊めてもらう。
チアをやってみせると興味を示してくれる。現地の学校を突撃訪問して子どもたちといっしょに踊るのも日常茶飯事。
どの国でも、怖い目にも危ない目にも遭うことはなかった。
アフリカのある部族にお世話になった時のこと。
持っていた口紅をひとりの女性に塗ってあげたら、目をキラキラさせて喜んでくれた。
「私にも塗って」「私も! 」
ああ。女の子が「キレイになりたい」「キレイになったらうれしい」と思う気持ちは、世界中どこでも同じなんだ。
見た目が違っても、育った環境が違っても、常識や文化が違っても、わたしたちは心に同じものを持っている。
新しく友達が出来たらうれしい。
家族が病気になったら悲しい。
優しくされたらうれしいし、冷たくされたら悲しい。
カッコいい男の子と付き合えたらうれしい。
キレイなお姉さんのキレイな脚が見られたらうれしい。
表面的にどんなに“違い”のほうが目に付いても、私たち人間の根っこは同じ。
もちろん違いも尊重しながら、同じハートを持った人間同士、世界中の人に心を開いて生きていたい。
そんな事を日本中、世界中の人に伝えたい。
帰国後、私は講演活動を始めた。
日本の友人に小学校の先生が多いということで、学校を訪問する機会もたくさん。
みんな、私の旅をSNSで見ていてくれたので、教育機関に快くつないでくれた。
世界各地で見てきた事
力強い弟の話
どんな国の人でも根っこは同じだということ
笑顔は世界共通だということ
命の尊さ
世界平和を志すおもい
子どもたちが体を乗り出して目を輝かせるたび、
社会人向けのセミナーで大人たちの心が開くたびに、私は確信を新たにする。
一人ひとりが自分の生まれた意味、存在意義を思い出し、まっとうすることで、この世界は変わってゆく。
自分の存在意義を思い出し、輝いて生きる人が増えることで、世界は変わってゆく。
人が人を傷つけたり殺したり、人の心の起こす不平等で誰かが飢えたりするような世界は、必ず変わるんだ。
もちろん、世界に目を向けることがすべてじゃない。
日本国内の何かに関心のある人は、それに真剣に向き合えばイイ。
私と違って、人よりモノや自然、何かを作ることや調べることが好きな人だっている。
それでいいんだ。それぞれがそれぞれの関心事に全力を傾け、存在意義をまっとうしてゆくこと。
そうして豊かに育まれた心、輝く命が、直接的にも間接的にも世界中の問題を解決してゆくのだと思う。
世界の現状を伝えながら、
目の前のその人が心を開き自分の生まれた意味を思い出すキッカケも提供する。
そんな事がしたくて、講演、チア、SNSでの発信、政治へのアプローチ……形を問わず活動している。
帰国して数ヶ月後、父は布団で冷たくなって発見された。前日まで家族であたたかく会話していた父の、突然死。
世界に5人しかいないという難病の弟の容態はいま落ち着いて、母と私と3人で暮らしている。
命の大切さ、思いやりの心を伝えてゆくことで、世界中の人と人を笑顔でつなぐ。
両親のまっすぐな愛を注がれて育った私の
難病を抱えながら笑顔で生きる弟の姉として生きる私の
この地球で生きる使命。
迷いもためらいもない。私はこの使命をまっとうして、全力で生きてゆく。
私のKeyPageが、ひとりでも多くの方の心に届きますように。
そして、あなたの心の開くキッカケになりますように。
掲載日:2018年09月21日(金)
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特定非営利活動法人「SC HURRAY」代表理事
松本真奈美(まつもと まなみ)
「三つ子の魂百まで」のとおり、3歳で抱いた夢を現在も追求する松本真奈美さん。難病の弟に励まされて育てた夢を、一度は忘れていたのですが......世界平和のための教育活動に邁進する松本さんの半生を追いました。