松本真奈美 Episode3:開いた心の導く道を。 | KeyPage(キーページ):起業家の「人生を変えたキッカケ」を届けるメディア

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過ごす仲間も楽しいけど、泊まったホテルがまたすごかった。
ホテル内に、ウォータースライダーとかカヤックとか、100種類ぐらいのアクティビティの選択肢があるの!
目の前はキレイなビーチだし、アクティビティ専用の現地スタッフもいて、すぐに仲良くなって。
遊びを教わるだけでなく、新しい友達と夜はお酒を飲みながら腹を割って話したりした。
もちろん傍には大好きな同期たち。もう、楽しくて楽しくて……。

チアに没頭したキャンパスライフもすばらしかったけど。
ここで過ごす楽しさは、心が生まれたての赤ん坊に戻ったみたいな、たまらない感覚。
「今日は何するの? 」「この次は何するの? 」
眠るのも惜しいくらい!

大好きな仲間と新しい友達と全力で楽しんだ滞在を終え、さあ空港に向かうというその時。
顔なじみになったドアマンが、5人いたグループのなかの私だけに向かってこう言った。

「You have a BIG HEART! 」

時が止まった。心に風が吹き抜けた。

“A BIG HEART”

「……そういえば」

私には、世界中に友達を作るという夢があった。
世界に貢献する人間になりたいんだった。
私の可能性って、世界を見渡せばもっともっとあるんじゃない?

忘れていたいろんなコトが走馬灯のようによみがえってくる。
日本の、自分の安泰な将来にしか向けていなかった私の目の、心の目の、開いた瞬間。

翌月、私は社会人になった。
先輩も上司も優しくて、営業の仕事にもやりがいがある。
何をする時でも全力投球の私。どんどん成績を伸ばしていった。
「お金を頂くっていうのは、自分が誰かをしあわせにした対価なんだな。なんてステキなんだろう」
社会で働く喜びを噛み締めていた。

“ど”の付くホワイト企業だ。定時勤務は当たり前。お給料もイイ、福利厚生もすばらしい。
子どもを産んだら育休3年。昇進のペースもほぼ決まっている。
何年勤めたらどのくらい出世してお給料がいくらになるのか、入社した時点でわかってしまうほど。
「40歳になったらこのくらいのお給料もらってこういう生活して、50になったらこのくらいの水準の生活で、
 あの人の座ってるあのあたりの椅子にあたしも座ってる……」

未来が全部見える。安定。安心。不満なんかひとつもない。
もしあの時サイパンに行っていなかったら、私はこの環境に何の疑問も持たず、勤め続けただろう。

だけど、私は、あの時サイパンに行った。
心がぱあっと開いた。
忘れていた夢を思い出した。

あの日までの私に戻ることは、もうできない。

世界に出ようと思った。

怖いけど。安定や肩書きをなくすなんて、怖いけど。
だけど、夢を思い出した心で、会社にも自分にも嘘をついてここで生き続けることはできない。
自分の可能性は自分で拓いてあげなくちゃ、誰も代わりにそんなコトやってはくれないんだ。

世界中に友達を作ることと、世界平和に貢献することとは、きっとつながる。働きながら、そう思い至った。
世界中をこの目で見て、友達を作って彼らのリアルな声を聞くことが、世界への貢献の第一歩になるはずだから。

300万円の貯金を目標に働き、2年半後、私は会社に辞意を伝えた。
半年間、代わる代わる上司に説得された。それも道理だ。
私はおもいを真摯に伝え、丸3年でその会社を退職した。

「ママ! パパ! 今日、会社辞めてきたの。あたし、これから世界を回ってくる! 」
25歳の私の、新しい人生の幕開けだった。新しい人生……本来の人生、なのかもしれない。

掲載日:2018年09月21日(金)

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特定非営利活動法人「SC HURRAY」代表理事

松本真奈美(まつもと まなみ)

「三つ子の魂百まで」のとおり、3歳で抱いた夢を現在も追求する松本真奈美さん。難病の弟に励まされて育てた夢を、一度は忘れていたのですが......世界平和のための教育活動に邁進する松本さんの半生を追いました。

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