一柳雄太 Episode2:周りに影響を与えられる人になりたい | KeyPage(キーページ):起業家の「人生を変えたキッカケ」を届けるメディア

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勉強ばかりの高校時代の反動か、大学1年次は遊びまくった。
その結果、「ひとりで楽しむだけじゃつまんない」と思うように。

2年次にはゼミを選ぶことになっていたので、マーケティングに関するゼミに入った。
ゼミ長になって、毎週末食事をしたり集まって交流をしたり、時には合宿をしたり。
国からもらった課題をゼミで研究してレポートを書いたこともある。

やっぱり僕は仕切るのが向いてるのかも……。
3年次以降はゼミは必須じゃないけど、楽しかった同じゼミに入って、今回もゼミ長に。

ある新聞社に掲載する論文を書くことになった時、意気揚々とチーム分けしたあとにチームメイトに言われた。
「雄太みたいに頑張りたくないから、チーム変えてほしい」


その一言が……ショッキングだった。
頑張るとか頑張らないとかは、それぞれのスタンスだと思う。
ただ、僕の価値観や生き方が否定されて、苦しかった。その晩は苦しさと怒りで眠れなかった。

和気藹々としたゼミだし、そう言った彼とだって仲が悪いわけじゃない。
僕が頑張りたいと思った事に、本当の意味で賛同されているわけじゃない、ということにショックを受けた。

中学のあの時の事が重なる。
「実はそんなに好かれてもいなかったのかな……」

悔しくて奮起したのは、高校の時と同じ。
新しいチームで書いた論文は佳作を受賞したんだけど。

「この研究って、何か意味あんのかな? この論文が世の中にあろうがなかろうが、何か違うのかな? 」
そんな感覚を持った。
もっと、人に直接影響を与える事をして、評価されたい。

そんな時、ひょんな縁から貸衣装屋の社長さんと親しくなった。
成人式とか卒業式で和服をレンタルする時の、あれだ。
どうやら狭い業界らしく、すでにルートを持っている会社以外の新規参入が難しいらしい。

「もっと入り込みたいんだけどね。一柳くん、何かできないかな? 」
「わかりました。僕が集客をするので、成功報酬でお給料頂けませんか? 」


キャンパスの近くにあるホテルの宴会場を2日間借りて、展示会を開催した。
同じ大学の友人と組み、それぞれが友達にバイトとして声を掛ける。
「展示会があるからさ、友達と一緒に見に来てくれない? 」

結果、2日で150人の来場。
衣装自体も安いし質も良いし、撮影なんかのオプションの条件も好いから、100人ぐらいの成約が取れた。
約束どおり成功報酬を僕らが受け取り、バイトとして協力してくれた彼らにお給料を払った。

成約してくれた子たちは、卒業式の衣装がお得にレンタルできて喜んでくれた。
バイトしてくれた子たちも、臨時収入があってうれしい。
新たな成約の取れた社長さんも大感謝。

もちろん、僕の充実感はハンパなかった。
お金が稼げたこともうれしかったけど、そのためにみんなで何かするということが楽しくて楽しくて。


人が喜んでくれて、僕も楽しくて、お金も回る。
自分で何かを立ち上げることで、人もお金も動いて、ビジネスが生まれるんだ。

同じ頑張るなら、意味があると感じられる何かを頑張りたい。
それは僕にとって、人に積極的に関わること、人を喜ばせることなのかもしれない。

掲載日:2019年03月28日(木)

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株式会社シルワ代表取締役

一柳雄太(いちやなぎ ゆうた)

幼少期から仕切り役を担ってきた一柳雄太さんですが、「自分には特別得意な事がない」という気持ちもあったとか。社会に出て挫折も経験した一柳さんが、かけがえのない自身の才能に気づくまでを追いました。

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