日野信輔 Episode4:まずは知ることが、現状を変える第一歩なんだ。 | KeyPage(キーページ):起業家の「人生を変えたキッカケ」を届けるメディア

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ようやく、障害者の方の自立できる生活を生み出せる仕組みが現実になっていきました。
これこそ僕がやりたいと思ってきたもの。

今では、もっともっと自立支援の仕組みを安定したものに、
というクリアなビジョンが見えるようになりました。
食と障害との関係性にも取り組んでいるところです。

でも、まだまだ多くの課題があります。

福祉の仕事をしていると伝えると、「大変だね」とよく言われるのですが、
それはこの業界で情報発信する人がすごく少ないためでしょう。

ニュースになることといえば、事件や職員の労働条件の悪さなどのネガティブな話ばかり。
でも福祉関係の素晴らしいニュースって、実はたくさんあるのです。

また、例えばバリアフリーに対応しているお店がわからなくて
車椅子の方が引きこもりになってしまったり……
障害者関係における生活のことや仕事のことで役に立つ情報がすぐ調べられるサイトがなかったので、
ポータルサイト「Welsearch」を立ち上げ情報発信の場を作ることにしました。

先にも触れたとおり、障害者の方の中には、すごい才能を持っている方がいます。
一度見たら忘れない抜群の記憶力とか、
プログラミングがものすごくできるとか。

残念なことにそのすばらしいスキルの多くは埋もれてしまっています。
その才能を活かすことができたなら……
彼ら自身のスキルで社会に貢献できたなら……

彼らは自らの力で社会とつながることができる。
そのことを多くの方に伝えたいし、必要な手助けを提供したいのです。

すべてがそうではないのですが、
「障害者の商品だから」と安い単価で商品を売っていたりするところも多いという現状があります。

それは彼らにとってどのくらい意味があることなのだろう。
本当にそれでいいのだろうか……。
そんな思いがぐるぐると頭を駆け巡りました。
そんな疑問が、才能を持った障害者の方をWebを使ってプロデュースするという現在の事業につながっています。

もちろん、特別な才能があるというわけではない方も多くいます。
そのような方を含め、当社の提携している企業には現在6,000人ほどの障害のある登録者がいて、
彼らに仕事をアウトソーシング(委託)しております。

引きこもりになってしまった方でも、この仕組みなら在宅で好きな時間帯に仕事が可能だから。

そして当然、仕事として請け負うからには品質も確保しなければいけません。
品質管理部門を設置し、取引先の方に安心して発注いただける体制を整えています。

まずは、障害者雇用の現実をみなさんに知っていただきたいのです。
今すぐ何か行動しないといけない、なんていうことではなくて。
「知っている」
と「知らない」の差はものすごく大きいはずです。

一人でも多くの方が福祉の現状に少しでも興味を持ってくださったら
これほどうれしいことはありません。

限りある人生、みなさんも僕自身も、悔いなく人生を楽しめる。
そんな夢のような社会は、まずは知り、想像することから始まっていくのだと思います。

これが、僕のKey Page。

掲載日:2017年11月10日(金)

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株式会社Nextwel(ネクストウェル)代表
ポータルサイト「Welsearch」編集長

日野信輔(ひの しんすけ)

友人の死をキッカケに、限りある人生を思い切り生きると決めた。 野球一筋の生活を終え、思いがけず知った障害者雇用のあまりに厳しい現実。 自立支援を実現させる夢を追い続けて。

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