安彦大地 Episode4:家族のために、社会のために。 | KeyPage(キーページ):起業家の「人生を変えたキッカケ」を届けるメディア

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過去の栄光に囚われると、人は前に進むより………そう、あの時の再来だ。
月に500万稼いでいた僕は、社内の誰を見ても軽蔑してしまう気持ちが拭えなかった。
3ヶ月ごとに辞めると言っては部署異動を言い渡され、結果、その会社は10ヶ月で退職した。

次の事も決めていない。転職の仕方もよく知らない。……自分でやるか。

その年の8月に形だけ起業はしたものの、売上はゼロ。
人脈を増やそうと知人のツテで街コンに参加すると、僕は興味深い光景を目にした。

ひとり参加の僕はたいていほかの男性参加者とペアを組まされるのだが、
僕がふたり組の女の子と話し始めると、そのもうひとりの男は黙り込むのだ。
ようやく口を開いたと思ったら、その一言で女の子の地雷を見事に踏み、彼女らを怒らせる。
そして、それは決してひとりふたりのレアケースではなく、100回以上参加した街コンでしばしば見掛けるものなのだった。

「こ、こんな男たちがいるのか……こんなの、いくら出逢いの場があったって恋愛なんか無理じゃないか」

ふと思った。
僕がもし高校時代にあのチャラ男に出会わなかったら、女の子との付き合い方を教わらなかったら、この人たちと同じようになっていたかもしれない。
僕は運が良かったのだ。
高校時代のあいつに女の子のことを教わり、大学時代にたまたまホストになり、
ジャニーズみたいなイケメンと対等に張り合える女の子との付き合い方を実地で学び身につけていった。

僕の学んできた事、身につけてきたものを、この人たちに教えるとしたら……?

こうして僕は、恋愛コンサルタントとしての活動を始めた。
途中で会員制の恋愛学校に切り替え、「SmartMen’sCollege」を運営。
知識などのインプットはここでしてもらい、実践の場としては合コンや飲み会、マッチングイベントを我が社で設け、生徒さんたちにアウトプットしてもらう。
外見を磨くために男性美容サロンやメンズ脱毛、ヘアサロンなど各分野のプロフェッショナルに依頼し、自分磨きもおこなえるようにトータルプロデュース。
インプットもアウトプットも自分磨きもすべて場を用意するので、ここに来る生徒さんたちにはどんどん行動してもらいたい。
そして、日本の男性たちにもっと元気になってほしいと思う。プライベートを充実させ、仕事にもますます励んで。

母さんが僕を妊娠した時、父さんは、一度継ごうとした祖父の会社の経営を断念し、会社員としての生活を選んだ。
我が子のため、家族の経済的安定のため、確実な道を選んだ。
それはもちろん、立派な覚悟だったのだと思う。愚痴を言うこともなく、転職することもなく、家族のために父さんはひとつの会社を勤め上げた。

だとしたら。
僕は、その父さんの選ばなかったもうひとつの人生も、生きてみたいと思う。
父さんのために、父さんのぶんまで……なんて、何かを押しつけるつもりはない。
ただ、起業しようと踏み切った時、父さんの選ばなかったもうひとつの人生が僕の頭をかすめた。それは事実だった。

父さんとは違って、会社に勤めるという形ではなかった。
けれども、いまあの時の父さんのように僕も家族を持ったことで、その家族の存在を思うと本来以上の力の湧いてくるのがよく解る。
表面的に選択した形が違うだけで、きっと父さんもそうだったのだ。

ずっと僕を支えてくれた両親に報いたとはまだ言えないけれど、僕には人生を懸けるものが見つかった。
その姿を両親には見ていてほしい。
それは僕に限った話ではない。
僕がより良いサービスを提供することで日本の男たちがもっともっと元気になり、
そんな男に魅せられる女性たちもますます輝けば、しあわせな人間が日本に、世界に増えることだろう。

そう信じて、大切な一日一日を過ごしている。
これが、僕のKeyPageです。

掲載日:2017年10月13日(金)

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スマートアクシス株式会社 代表取締役
SmartMen'sCollege代表講師

安彦大地(あびこ だいち)

水泳ではインターハイ3位の成績を残し、歌舞伎町の学生ナンバーワンホストでもあった安彦大地さん。
苦手だった女性との付き合い方を克服し、男性向け恋愛学校を提供するに至るまでのストーリーとは?

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