その日まで私は、「優等生」で「頑張り屋」だった。
けれどそれは、自分のことを苦しめていた
手放したら、楽になった。
小中高と女子校に通っていた私。
上質なウールで作られたセーラー服に、厳しい校則、カトリック教育、男子との交流の制限。
典型的な『お嬢様学校』だった。
グループ行動が基本で、トイレにいつも一緒に行く「つれしょん」はよく見る光景。
スクールカーストもあったし、12年間メンバーの入れ替わりがほとんどない閉鎖的な環境だった。
私はその一つ一つに対して、これでいいのかなといつも疑問を持っていた。
価値観が凝り固まっていて、プライドも高かった当時の私は、クラスメイトよりも上に行きたい!と思うようになった。
誰よりもいい大学に行って、誰よりも活躍したい…!
そして、『大奥』のような女子校生活を経験したことで、「女性らしさ=陰湿さ」と思うようになった。
「女の子っぽい女の子」をとにかく否定して嫌うようになった。
それと、家の中では、弟に対する劣等感が強かった。
弟は要領がよく、気が利くし、優しい。
対して私は、どんくさいし、気が利かないし、他人を心配したりすることが上手くできなかった。
大人になって、それは発達の遅れが原因だと分かったけれど。
当時、「遅い」とか、「なんでこんなこともできないの」とよく怒られていた私は、なんで自分はこんなダメ人間なんだろう、消えたい、とよく思っていた。
掲載日:2016年10月10日(月)
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