キッカケインタビュー - » 新垣 隆史 | KeyPage(キーページ):誰かのキッカケを届けるメディア

キッカケインタビュー

「誰よりも速くなりたい」。25歳からオリンピックを目指したキッカケ

新垣 隆史(あらがき たかし)

ゴールドメダル・アライアンス主宰
100m陸上短距離走選手

この鍵人のコンテンツ:

キッカケ記事

いま何やってるの?
アスリートコミュニティ、『 ゴールドメダル・アライアンス 』の主宰。
現在は100mの陸上短距離走者として活動。アスリートコーチとの出会いで25歳から短距離走のスピードが伸びた 経験をもつ異色のスプリンター。「正しいことをやればデキる」ということを伝える為、東京五輪を目指し日夜練習に励んでいる。

「走る起業家」として、実業団に所属せずフリーで陸上短距離走の選手として活躍している新垣隆史さん。一度は諦めたプロアスリートへの道をもう一度目指したキッカケは、とある本を手に取ったことだった。

キッカケ①:高校・大学時代の挫折経験

俺は誰よりも速くなりたかった。優秀でありたかった。


%e6%96%b0%e5%9e%a3%e9%9a%86%e5%8f%b2_%e6%96%87%e4%b8%ad01


小学校、中学校の時は、学年で一番足が速かった。
「足が速い=新垣」というアイデンティティが成り立っていた。リレーのときは、暗黙の了解でアンカーに選ばれていたほどだった。俺は、誰にも負けたことがなかった。



ところが高校に入り、体力測定をやってみると、学年どころかクラスでも一位を取れなかった。スポーツ推薦のある学校だったせいもあるのか、自分より速い奴らがたくさんいた。このままじゃダメだ、と思った。今まで「一番足が速い人=新垣」という位置づけだったから、それが維持できないのは嫌だった。
俺は陸上部に入ることにした。すると、そこにはたくさんの「俺より速い人達」がいた。しばらく挫折感を引きずったのは言うまでもない。



けれど、その一方で自分のアイデンティティを保つために必死だった。何かしらいい方法さえ見つかればきっと速くなれると信じていた。何故なら俺は、「誰よりも足が速い」という状態を知っている。だから、絶対にまた一位の座に戻れると、自分はまだまだこんなもんじゃないぞと、信じて疑わなかった。
陸上を辞めようとは一度も思わなかった。

大学に進学してからも、公式の陸上部に入った。
しかしやはり、思うような成果は出せず、実業団に行けるような実績は残すことが出来なかった。



俺はやれるだけのことを試した。走り込み、筋トレに始まり、走りのフォームを改善する専門のジムにも通った。イチローがやっているのと同じトレーニング方法を試してみたりもした。
でも、どれをやっても結果が出なかった。



俺は、実業団に行けないのなら、どう働くのが自分にとって幸せかを考えた。

キッカケ②:ベンチャー企業に就職したキッカケ

大学では材料物理化学専攻という、専門的である意味マニアックな内容を学んでいた。最も新しい金属材料についての研究などを行っていて、先生は国家戦略プロジェクトにも関わっているような人だった。大学院まで進み、同期はだいたい鉄鋼系、重工系、車系の会社へと就職していった。


しかし、自分は「そっちの道」へは進まなかった。


どういう風に働くのが自分にとって幸せか。
過去を振り返って気づいた。それは、一緒にいる人がとても大事だということだった。だから就職する会社は、一緒に働く人の価値観やビジョンが統一されている会社という基準で選ぶことにした。何をやるかではなく、想いが一緒の仲間と働きたい、と。


就職活動をする中で、OB訪問もしてみたが、どうも大企業は自分には合わないらしいと感じた。大企業にはいろいろな人がいて、「この人はこの人」というような、バラバラな感じがした。
一体感があまり感じられなかった。


ある日、とあるベンチャー企業が主催していた『自己分析セミナー』に行った。
自己分析をやったことがなかったから、一旦やってみようか、と思った。


その、たまたま行ったセミナーの内容が、とても良かった。
「あなたに夢はありますか?」といきなり問いかけてきたセミナー講師。俺は率直に、「ねえよ」と、思った。その時はただ、「優秀であればいい」と思っていたからだ。けれどその質問がキッカケで、夢、考えてみようかなと思った。

%e6%96%b0%e5%9e%a3%e9%9a%86%e5%8f%b2_%e6%96%87%e4%b8%ad02


結果として俺は、自分が一緒に働きたいと思える人たちが集まった、その会社に入社することを決めた。ベンチャーのIT広告代理店という、同期たちとは全く違う進路。俺にとってそれは本当に「たまたま」だった。一緒に働きたい人のいる会社が、たまたまベンチャーで、たまたま広告代理店だったというだけだ。
この会社でずっと働き続けようと、当時はそんな気持ちで入社した。


ただ、もっと速くなりたい、速く走れるようになりたいという気持ちは、社会人になっても変わらなかった。仕事が終わるのは午前0時や1時だったが、その時間から街中をランニングして、トレーニングを続けていた。
練習時間は学生時代の3分の1以下になった。それでも、自分の中で「速い」という結果を残したくて、ひたすら真剣に走り続けていた。パトロール中の警察官に驚いて振り向かれた事もあるが、そんなのは気にしなかった。

キッカケ③:「ホンモノ」のメンターに出会ったキッカケ

実はまだ大学院生だった時に、足が速くなるための方法をいろいろと研究し、試行錯誤を繰り返していた中で、とあるスポーツトレーナーと運命的な出会いを果たした。


ある日、本屋で一冊の本が目に留まった。
タイトルは、『運動会でびりだった人をワールドクラスのスプリンターにする本』。半信半疑ながらも、俺はその本を手に取った。速くなれる方法を知りたくて、藁にもすがる思いだった。


%e6%96%b0%e5%9e%a3%e9%9a%86%e5%8f%b2_%e6%96%87%e4%b8%ad03


軽く立ち読みするつもりで、パラパラとページをめくった。するとそこに書かれていたのは、
「走り込みはダメ」「筋トレはダメ」「フォームを改善するのはダメ」
それは、自分が今まで試してきて、そして効果の無かった事だった。
「この人は本当のことを言ってるな…」
気づいたら、数ページだけ読むつもりが全部読んでしまっていた。今まで自分の頭に無かったことが書いてある。「この本の著者にすげー会ってみたい…!」


巻末を見ると、メールアドレスが載っていた。そこで俺は、「すごいです!是非一度お会いしたいです!」という趣旨のメールを送った。すると、メールが返ってきた。「1時間だけならお会いできますよ」と。


実際に会ってみて、「この人はホンモノだ」という印象を受けた。
結果にこだわっている、まさにプロフェッショナルといった感じの人だったからだ。スポーツトレーナーというのは、普通は「時間報酬制」をとっている。一回指導してこの値段、1時間指導してこの値段、といった具合だ。


でもその人は、「成功報酬型」を採用していた。100メートル走のタイムが何秒縮まったらいくら、野球なら球速が何キロ上がったらいくら、といった形式だ。こんなトレーナーは今まで見たことがない。よっぽどの自信がないと出来ないことだと思った。しかも、それで生活をしているのだから本当に凄い。


俺はその人の話を聞いて、その場ですぐに指導をお願いした。するとその人は言った。「1年待ちますよ。」

1年待ったら、社会人になってしまう。
でも、社会人になってしまってもいいから、速くなりたいと思った。そして、1年越しに指導を受けることになった。

キッカケ④:もう一度スプリンターを目指したキッカケ

%e6%96%b0%e5%9e%a3%e9%9a%86%e5%8f%b2_%e6%96%87%e4%b8%ad04


指導を受け始めて最初の一年間で、記録が異常なほどに伸びた。
俺は冗談まじりに、「このペースで伸びたら日本記録出ちゃいますよ」と言った。
でも、それに対してコーチは、「出るよ。」と答えてきた。
「そんなもんなんですか…?」
「ちゃんとやれば出るよ。」
それを聞いて、心の底からワクワクした。自分の可能性が広がること、それは誰にとっても、一番ワクワクすることに違いない。


そこで改めて、俺は自分の身の振り方を考えた。
要は、今の会社にそのまま居続けるのか、それとも会社を辞めてまた陸上をやるのか、どちらを選ぶのかということだ。会社を辞める理由は特に無かった。会社のビジョンには共感していたし、一緒に働くメンバーもとても良い人達で、休日に一緒に遊びに行くくらい仲が良かった。
ただ、それよりも、走ることに対して感じる「ワクワク感」の方が勝っていた。


仕事に慣れ、余裕が出てくると、3年先・5年先の先輩達の仕事内容が分かってくる。すると、自分がこの会社に居続けた場合の、進化成長度合もなんとなく分かる。それに対して、俺はあまりワクワクを感じられなかった。それよりも、日々もの凄い勢いで記録が伸びている短距離走を続けることの方が、とても嬉しく、ワクワクを感じられることだった。


俺は社長に、「本気でオリンピックを目指すんで、会社辞めさせてください。」と申し出た。
「そんなこと言って会社を辞めるやつは初めてだ」
当然だろう、25歳から短距離走の記録が伸びて、オリンピックを目指すようになるなんて、自分以外見たことがない。


もちろん、上手く行く可能性は保障されていない。
起業経験は無かったし、可能性はむしろ低いとさえ思った。ただ、自分の感情に素直に生きることにした。


短距離走は、才能やセンスの世界だと思っていた。
でも、正しいことをやれば、必ず結果を出せるんだっていうことを知った。そんな自分だからこそ、伝えられるメッセージがあるだろう。


これが俺の、KeyPage。


%e6%96%b0%e5%9e%a3%e9%9a%86%e5%8f%b2_%e6%96%87%e4%b8%ad05

この記事をお気に入りに登録

掲載日:2016年12月12日(月)

鍵人No.0042

新垣 隆史(あらがき たかし)

アスリートコーチとの出会いで25歳から短距離走のスピードが伸びた経験を持つ、異色のスプリンター。正しいことを「やればデキる」ということを伝え、 子供に夢を与え大人に勇気と希望を届けるために東京五輪を目指し日夜練習に励んでいる。
自身のパフォーマンスが伸びたことから、 そのきっかけとなる人との繋がりや情報を広げるために アスリートのコミュニティを立ち上げ、 世界レベルで活躍できる最強・最速のアスリートチームを 作るべく活動している。
ゴールドメダル公式HP
http://gold-medal.jp

最新のキッカケ

ほかのキッカケを見てみる!

ちょこっとKeyPage

ちょこっとKeyPageを見る