新垣隆史 Episode2:ベンチャー企業に就職したキッカケ | KeyPage(キーページ):起業家の「人生を変えたキッカケ」を届けるメディア

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大学では材料物理化学専攻という、専門的である意味マニアックな内容を学んでいた。最も新しい金属材料についての研究などを行っていて、先生は国家戦略プロジェクトにも関わっているような人だった。大学院まで進み、同期はだいたい鉄鋼系、重工系、車系の会社へと就職していった。

しかし、自分は「そっちの道」へは進まなかった。

どういう風に働くのが自分にとって幸せか。
過去を振り返って気づいた。それは、一緒にいる人がとても大事だということだった。だから就職する会社は、一緒に働く人の価値観やビジョンが統一されている会社という基準で選ぶことにした。何をやるかではなく、想いが一緒の仲間と働きたい、と。

就職活動をする中で、OB訪問もしてみたが、どうも大企業は自分には合わないらしいと感じた。大企業にはいろいろな人がいて、「この人はこの人」というような、バラバラな感じがした。
一体感があまり感じられなかった。

ある日、とあるベンチャー企業が主催していた『自己分析セミナー』に行った。 自己分析をやったことがなかったから、一旦やってみようか、と思った。

その、たまたま行ったセミナーの内容が、とても良かった。
「あなたに夢はありますか?」といきなり問いかけてきたセミナー講師。俺は率直に、「ねえよ」と、思った。その時はただ、「優秀であればいい」と思っていたからだ。けれどその質問がキッカケで、夢、考えてみようかなと思った。

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結果として俺は、自分が一緒に働きたいと思える人たちが集まった、その会社に入社することを決めた。ベンチャーのIT広告代理店という、同期たちとは全く違う進路。俺にとってそれは本当に「たまたま」だった。一緒に働きたい人のいる会社が、たまたまベンチャーで、たまたま広告代理店だったというだけだ。
この会社でずっと働き続けようと、当時はそんな気持ちで入社した。

ただ、もっと速くなりたい、速く走れるようになりたいという気持ちは、社会人になっても変わらなかった。仕事が終わるのは午前0時や1時だったが、その時間から街中をランニングして、トレーニングを続けていた。 練習時間は学生時代の3分の1以下になった。それでも、自分の中で「速い」という結果を残したくて、ひたすら真剣に走り続けていた。パトロール中の警察官に驚いて振り向かれた事もあるが、そんなのは気にしなかった。

掲載日:2016年12月12日(月)

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ゴールドメダル・アライアンス主宰
100m陸上短距離走選手

新垣隆史(あらがき たかし)

「走る起業家」として、実業団に所属せずフリーで陸上短距離走の選手として活躍している新垣隆史さん。一度は諦めたプロアスリートへの道をもう一度目指したキッカケは、とある本を手に取ったことだった。

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