「なぜあなたは死んじゃったの?お母さんが望まなかったから?」
「なぜお母さんは死ねなかったの?あなたが助けてくれたのかな?」
聞こえるはずもない我が子に語りかける。
手も、足も、人の形にさえもまだ成長していない、小さな小さな私の赤ちゃん。
この子は明日、私の中からいなくなる。
溢れでる涙は、後悔と共に、自分自身の不甲斐なさに向けられたものでした。
「ごめんね。。お母さん、あなたを幸せにしてあげられなかった…。」
もう動かない我が子がいるお腹を私は優しくゆっくりとさすった…するとその時初めて、亡くなってしまった我が子が心から愛おしく思えたんです。
「この子が私の中にいる間に、私の中にある愛情を全てこの子に注ぎ込もう。」
そう思い、私はこの子に“希(のぞみ)”と名前をつけました。私(亞希)の一部であるという意味と、次は『望まれて生まれてきますように』という願いを込めて。
「過去は絶対に変わらない。いつまでもくよくよしてたらあなたに笑われちゃうね。」
希が命をかけて教えてくれた事を、私は無駄にしちゃいけない。
「お母さん約束するから。希の分まで、お母さん強く生きるから…」
希の死に触れて、私は初めてこれまでの自分を受け入れて、そして新しく歩き出す決意をすることができました。
そこから、目の前に広がる世界が一気に明るくなったような感覚になりました
「少しの間だったけれど、あなたのお母さんになれて本当に良かった。」
もしもキセキが起こっていつかこの子に出会えた時、そう言って笑顔で迎えてあげたいから。
希の分まで、私は強く生きる。
これが私の希から教えてもらったKey Page…
掲載日:2016年10月01日(土)
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