Happy幸子 Episode3:足りないから、補って補って……。 | KeyPage(キーページ):起業家の「人生を変えたキッカケ」を届けるメディア

» Happy幸子 Episode3:足りないから、補って補って……。

仕事以外引きこもって暮らす日々だった。彼の死の理由が知りたくて、いろんな事を調べ、勉強した。
そもそも10万人にひとりしか発症しないガン。同じ病気でも、同じステージでさえ、死ぬ人のほうが少ないのに。
「なんで彼はガンになったんやろ? なんで彼は治らんかったんやろ? 」
自分のなかの悪魔が彼を死なせたということは疑わなかったけれど。それ以外にも説明がつくものなら、知りたかった。

2年ほど調べ上げて、現在の西洋医学の治療法では治らないという結論に至った。
看護師として病気の人に関わっていても、人を救えない。
人を救える自分になりたい。人を救える技術や知識を手に入れたい。
「悪魔なんやから、せめて」
せめて人を癒やし、救う方法が知りたかった。まだ足りない。何かが足りない。

メディカルアロマだけでは不十分に思い、筋膜矯正のスクールに通い始めた。
「人をもっと癒やすための技術が身につけたくて」と言う私に、
先生はかわいらしい声で「まずは自分が癒やされてください! 」と言った。

自分が癒やされる? まず自分?
「自分のために何かするなんて……そんなコト、考えていいんや!? 」
目からウロコがボロボロ落ちた。悪魔の私がせめて、罪滅ぼしに、人様の役に立てるように……と思っていたのに。

先生に気に入られ、卒業後は講師として先生の手伝いをさせてもらうことに。
ただ、もともと不思議な……スピリチュアルなところのあった先生が、
だんだんその霊的な感覚を前面に出すようになってきた。それを物事の言い訳に使うことも増えた。
おかしいなと思いながらも、憧れも好意もあるのでついて行った。
アロマを習っていたころに手に入れた物件も改装し、先生のサロンを手伝いながら新大阪の自分のサロンも運営。

やっと人の役に立てる自分になった。そう思っていた矢先、突然、講師の契約を解除された。

「お兄ちゃんだけやない。大好きになった人は、みんなおかしくなってまう……」

どんなに恋愛がボロボロの時でも、仕事だけは順調だった私。仕事では初めての挫折だった。
亡くなった彼のあとに付き合った人にも、同時期に突然振られた。
「足らんのかも、悪いんかも、と思ったとこ全部直して、せめて人の役に立てるように頑張ってきたのに。
 あたしにまだ何が足りないん? これ以上何をせなあかんの……? 」

絶望のなかで、マクロビオティックという考え方を知った。腰痛からたまたま受けた健康相談がきっかけだ。
この世のすべての物事を陰陽で捉え、360度すべてに光を当てる思想、マクロビオティック。
それを適用した食事療法を受けると、体調がすこぶる改善した。
「これを身につけたら、サロンのお客様の役に立てるかもしれん」

そのつながりで、瞑想もするようになった。足はしびれるし、集中できないし、効果もよくわからないけれど……。
「私は自分のことが大好きです」という、瞑想の会で読まされた一文に涙があふれた。
自分のことが好きになりたい──こんな強いおもいが自分のなかにあったなんて。

好きになろうと決めた。方法なんて、皆目見当がつかないけれど。

すると、その会を主催するインド雑貨屋さんの子に、インドのスピリチュアルツアーに誘われた。
「そんなん、瞑想したってようわからんのにいっぱいするの嫌やし、3週間も病院休まれへんし、お金ないし、
 そもそもまだそんな仲イイわけでもないのに……」
真っ先に浮かんだのは行かない理由だった。
そもそも、行く理由がない。行って、どんなメリットがあるというのか。メリットのあやふやさに対して、背負うリスクが大きすぎる。

それなのに、どんなに考えても行かないのが妥当なのに、私は行くことに決めた。
わからない。本当にわからない。なぜか病院も休めた。お金もなんとかなった。
「何かはわからん。でも、何かがある気がする」
何をしに行くのか。何を求めていくのか。何もわからなかった。わからないまま、私はインドの地を踏んだのだった。

掲載日:2018年05月25日(金)

このエピソードがいいと思ったら...

この記事をお気に入りに登録

「北浜伝統ヨガスタジオ」経営者、セラピスト

Happy幸子(はっぴーさちこ)

Happy幸子という名前で女性の自立支援のスタジオを運営する幸子さん。「悪魔や」と言われ続け、その名前にもコンプレックスを抱いてきた半生だったのですが……闇にも光にも光を当てたキッカケを振り返ります。

エピソード特集