東信幸 Episode4:「できない」は「できる」に変えられる――今度は僕が教える番 | KeyPage(キーページ):起業家の「人生を変えたキッカケ」を届けるメディア

» 東信幸 Episode4:「できない」は「できる」に変えられる――今度は僕が教える番

「この先どうしようかな」

就活して、会社に入って、サラリーマンになって……そういう生き方は想像できない。

僕は池上先生についていくような形で企業。立ち上げた会社の名前は「レベルアップスポーツ株式会社」

ずっと練習してきた神宮外苑スケート場で、僕は人に指導する立場になっていた。伸び悩んでいた僕を、「運動音痴」という思い込みに苦しんでいた僕を救ってくれたトレーニング法は、「バネトレ」と呼ばれるようになっていた。

大学のときに挫折したシンクロナイズドスケーティングも選手兼コーチとして復帰。一度離れたことで、僕にとってシンクロの存在がどれだけ大きなものなのか実感した。

ずっと思っていたけど、僕は自分で何かを決めるってことがほとんどない。親にいわれるままスポーツを始めたし、池上先生との出会いもコーチに促されたようなものだ。でも、なんだかんだで良い方向に進んできた。大きな決断をしてきた感覚はない。ただ「ワクワクすること」をやりつづけた結果、僕にふさわしい道が見つかった。

きっとこれが僕の生き方なんだ。

会社の設立から4年、先生が別の場所で活動することになった。だけど、僕はついていくことができない。今の僕は50人の生徒を抱えている。生徒たちを置いていくことはできない。

「生徒たちのためにも、僕がここにいないと……!」

こうして僕は独立、「株式会社HATHM」が誕生した。

運動音痴で悩んでいた少年がスポーツ事業の代表取締役になるなんて、自分でもびっくりだよ。

経営者という立場になって、やっぱり僕はチームが好きなんだと思った。大学時代、キャプテンをやった経験が今に活きてる。キャプテンになったことをずっと後悔していたけど、「やってよかったんだな」と思えるようになった。

独立をきっかけに父さんとの交流が増えた。父さんも会社を経営していて(めったに会わないから知らなかった)、父さんの助けがあったおかげで独立することができた。ずっと微妙な距離感だった兄さんとも、昔に比べて気楽に付き合えるようになった。子供のときに得られなかったものを、僕は少しづつ取り戻している気がする。

でも、今の僕はもうもらう側じゃない、与える側なんだ。

バネトレを通じて、できないことを自分の力でできるようにする力を子供たちに身につけさせたい。

「運動音痴だから」

「生まれつき運動ができない」

そんな思い込みがその人の人生を暗くしてしまう。でも本当は、できないことなんてそうそうないんだ。

子供たちができないと思い込んで劣等感を抱えることのないようにしたい、「自分の力でできるんだ」と思える指導者、環境を増やしたい。それが今の人生のテーマ。

僕を救ってくれた先生の恩に報いるためにも、今度は僕が教える番だ。

僕のKeypageが、あなたの「できない」を「できる」に変えられますように。

掲載日:2020年04月24日(金)

このエピソードがいいと思ったら...

この記事をお気に入りに登録

株式会社HATHM代表取締役

東信幸(あずま のぶゆき)

「バネトレ」というトレーニング法で、子どもたちに運動する楽しさを教えている東信幸さん。運動音痴がコンプレックスだった彼がフィギュアスケート国体選手にまで上り詰め、トレーナーとなるまでの道のりを見てみませんか?

エピソード特集