大学に進学してから、まずはダンスサークルに入りました。マイケルのパフォーマンスができると思ったからです。
大学1年生の時に、学園祭で2分ほどの尺でパフォーマンスできる機会をもらい、初めてダンスを人前でちゃんと披露することに…。素人丸出しのビジュアルでしたが、自分なりにマイケルっぽくしようと衣装も準備し、本番に臨みました。
結果、お客さんにはそこそこ喜んでもらえたと思います。
ただ、サークルはあくまでダンスを学ぶ場所なので、マイケルの真似のパフォーマンスで人を楽しませたいという私の思いとはズレてると感じました。
そんな思いもあり、2年生からは有志団体としてステージ枠をもらうようにしました。
しかし、サークルの仲間もいない、初めて単独で学園祭に出演することになったので、集客も全くできておらず、お客さんはたったの5名。ちょっと恥ずかしい、苦い経験でした。
これではダメだ。何をやっても人に見てもらえないのでは意味がない…。
そう反省し、3年生の学園祭では、より多くのお客さんに見てもらえるようにと、大学で一番人気だったバンドのすぐ後ろの枠を取りました。実に姑息な作戦でしたが、これが見事に上手くいき、この年は多くのお客さんに楽しんでいただくことができました。
学内でも「なんかマイケルやる人いるよね」といった具合に知名度が少し上がっていきました。
この学園祭以降、学外での活動が始まりました。
クラブ出演をメインとし、地域のイベントなど、様々な場所でパフォーマンスをするようになりました。大学内とは違い、身内のノリが通用しない世界。自分のビジュアルだってもっとこだわらなければと思い、あれこれと試行錯誤した結果、今も続いている当時のマイケルがよく装着していた黒いマスクを付けるスタイルが完成しました。
イベントで知り合った人たちの輪がどんどん広がり、時に大きなステージへ呼んでいただいたり、テレビにも少し出たりと、貴重な経験が増えていきました。そして迎えた、大学4年生の学園祭では、その年のグランプリをいただきました。
このあたりでは、だいぶ今と似ている「プロ意識」を持つようになったと思います。高校時代に教室ではしゃいでいた頃と比べたら、意識面で特に成長していました。
その後も、マイケルのパフォーマンス活動は続けていますが、これで可能な限りのお金を稼ごう!という意識はありません。本当にこれを本職としてしまうと、楽しさや好きだという気持ちだけで続けられない、すると面白いパフォーマンスができなくなってしまう、そんな風に考えました。
もちろんプロ意識はあります。けれど、パフォーマンスを生み出す行為は「自分がまず楽しめること」というのを大切に考えているからです。
掲載日:2017年03月24日(金)
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小川真(おがわ まこと)
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