照井窓日 Episode3:自分の身体について、いかに無知だったのかを思い知らされた休職期間 | KeyPage(キーページ):起業家の「人生を変えたキッカケ」を届けるメディア

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そんな私の姿を見ていた周りの人たちから病院に行くことを勧められました。実際に病院に行ってみると、私はすぐさま鬱病と診断されました。先生からは「明日から休職してください。すぐに診断書を出します」と言われました。

「どうしよう、そんなに急には休めない」と私は反発しました。けれど先生は、「今のあなたの状態では仕事の調整はできません。そこも会社の方にお願いしてください。」と断言するだけでした。

上司からは「気がついてやれなくて、本当にごめんな」との言葉。胸がとても痛みました。とても温かく見守ってくれる上司ばかりだったので、自分の都合で勝手に休むことが自分のワガママに思えて仕方がなかったです。「メール一通送ることもままならない自分は、なんてバカなんだ」と毎日毎日自分を責めていましたが、「休職しなければいけないほど、私は限界だったんだなぁ。」と、どこかでホッとする自分もいました。

休職したのは、25歳の夏でした。4か月間の休職は想像以上にとてもキツく、まさに地獄のような毎日が続きました。それまではまとまった休みがあればどれだけ良いだろうと思っていたけれど、テレビを見たり本を読んだりしてもその意味がほぼ理解できず、今まで楽しいと思えたものも全然楽しく感じられない、まさに心も感情も死んでしまったような状態で、ただ時間を潰すしかありませんでした。「社会から取り残されてしまったのではないか」と焦りや不安を強く感じる中、空白の時間だけが果てしなく続いていくようでした。

しかし、休み始めて2ヶ月ほど経ち、心の状態も徐々に落ち着き始めました。先生から「脳の細胞は2~3か月で入れ変わるので、それぐらい経てば気持ちも落ち着きますよ」と言われていたのですが、それは本当でした。体調も良くなってきた頃、それまで酷使してきた自分の身体のメンテナンスをしようと、少し前向きな気持ちで婦人科検診に初めて行きました。そこの先生に言われた言葉は、私をまた闇の中に突き落とすものでした。

「照井さんの身体は女性器官がほぼ機能していません。治療をしましょう」

神様は一体、どこまで私に試練を与えるのだろう…。

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先生からは「子宮が一回り小さくなっています」と言われました。「生理は来ていると思いますが、排卵はしていないですね」と言われましたが、その内容は難しく理解するまで時間が必要でした。生理は来るけれども排卵はされていない、「無排卵月経」という診断でした。「(生理は)血が出ていればいいんだ」なんて軽く考えていた私だったので、『無排卵月経』という状態があること自体、この時初めて知りました。

排卵は脳から送られてくる信号が大きく関係してることを知ったのも、この時が初めてでした。こういった説明が先生からされた上で、先生から告げられたのは「脳に腫瘍などの何らかの異常がある可能性」と「卵巣に異常がある可能性」でした。そして、正しい治療のためにその両方を検査する必要性も告げられました。

「私の体はどうなってしまったの?どうなってしまうの?私はまだ何もしていないのに、未来が無くなってしまうの?」そんな不安と焦りと怒りにも似た感情が頭の中を支配していきました。せっかくメンタル面は改善してきたのに、今度はまた別の問題…もう自分自身の体を嫌いになりそうでした。

そのような思いを抱えたままでのMRI検査。注射器の針が腕に入ったまま30分以上暗い検査機の中で横になっている時、この先が不安で心細くて未来に明るいイメージは一切持てませんでした。幸い脳に異常はありませんでしたが、検査後結果が出るまでの3週間は生きた心地がしませんでした。

掲載日:2016年11月09日(水)

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女性ホルモンバランスプランナー

照井窓日(てるい まどか)

女性ホルモンバランスプランナーとして活躍している照井窓日さん。「女性は、自分自身の心と体について良く知る必要がある」という信念を持って働くようになったキッカケとは?

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