私は東京に生まれ、3歳から10歳まで親の仕事の関係でアメリカで過ごしていた。
10歳で帰国して、進学した男子校の中学。アメリカでの自由な環境とは打って変わり、日本の学校に通うようになって感じていたのは「閉塞感」。学校では「ガイジン」「キモい」と言われ、いじめられたりしていた。友達もいない。ここには自分の居場所はどこにもない…。毎日がつまらなくて、私の前には灰色の世界が広がっていた。
高校に進学しても、陰湿な嫌がらせをされたりしていたけれど、中学での経験から、「こんな奴らに負けたくない、変わらなきゃ」という思いがあった。
そこで私は、「何があっても学校には毎日行く」ということを自分で決めた。高校生活は決して楽しくはなかったけれど、逃げない自分に少しずつ自信が湧いてきた。これまでのパッとしない自分をもっと変えたかった。今の生活を、このグレーな世界を抜け出したいと思っていた。
そんな時、当時爆発的人気だった安室奈美恵with SUPERMONKEY`Sのダンスに魅了された私は、学校などで抱えたストレスを、踊って発散するようになっていた。見よう見まねで始めたダンス。独学だったけど、踊っている時間はいやなことを忘れられた。
…これが私のダンスとの出会いだった。
いつしか私は、ダンサーになりたいと思うようになった。勉学重視の親には反対されたが、私は勇気を出してダンススクールの門をたたいた。飛び込んだダンスの世界は、女性が多くて、男性でも中性的な人が多かった。この空間はとても居心地がよかった。やっと見つけた。ここが私にとって最初に見つけた居場所だった。
掲載日:2016年11月28日(月)
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ジャズダンサー・ダンスインストラクター
振付師
YASU-CHIN(やすちん)
ダンスを通してTV番組、インストラクター、イベントなどで活躍しているYASU-CHINさん。かつては友人もなく居場所もない。灰色の日々だった彼の人生…。ダンス一筋に生き、そして見つけた真の彼らしさとは。