20代の僕は実家のケーキとパンの店を継がず、当時流行の兆しがあったインターネット業界の会社で働いていた。その仕事に対して特に想いもなく、ただただ毎日を過ごしていて、家と会社の往復、自分の生活の為に仕事をしていた。当時から何か人の為になることをしたいなぁとずっと思っていたが具体的に行動することはなく、日々余裕すらなく、常に自分にベクトルが向いていた。
自分の身に何が起きたか、何が何だか理解はできなかった。一番苦しい時は、電車にすら乗れなくなるくらいだった。僕がそのような経験をしていたから、周りには同じような悩みを持つ人が溢れ、よく相談された。その積み重ねが自分に覆いかぶさってきて、再度自分が苦しくなっていった。
仕事を辞めて自分で仕事するようになってからは、徐々に症状も治まっていったが、未だ自分の為に生きていて自分に入ってくるお金は全て自分の為につかい、何も残らないことが無性にむなしくて、それを満たすためにまた自分の為にモノで心を満たす日々の繰り返し、そんな生活を20年近く続けていたが、ある出来事をキッカケにそれまでの悶々としていた自分の人生を変えることになる。
掲載日:2017年06月16日(金)
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スマイルクリエイター
加藤雅彦(かとう まさひこ)
写真や音楽を通して人に笑顔を届ける活動をしている加藤雅彦さん。ただ過ぎていくだけの日々に取り残された自身を変えたのは、東日本大震災を通して知った、人々が本当に求める“希望”だった。