「食べてみると、やっぱり違うもんだね」
そんなふうに思って、今日明日の食品選びを変えるようになる人がいてくれたら。
毎週水曜日に企画するようになったオーガニック・パーティ「OGAPA」は、
しかし毎週30人前後が参加しながら動機はさまざま、僕のおもいの届くことはあまりなかった。
「パーティに来る人は、別に自分や生活を変えようとしてはいないんだな」
手法を省みては、また次の手を。
妻の出産前にいろいろと調べる過程で読んだ図書や人づての紹介で知っていった
おもいを持った有機農家さんたちに直接話を聴きに行き、
それを代わりに発信したらどうだろう。
そう切り替え、インタビュー活動を始めた。
「おもしろいね」と言ってくれる人が増え、気づけば全国各地に13人のインタビュアーが。
報酬はひとつもないのに、皆それぞれおもいを持って自発的に活動してくれている。
生産者さんのおもいを届けたい、というおもいを持って……。
まじめな事をまじめに伝えても、もともとまじめな人以外にはリーチしにくいだろう。
社会的に大きな意義のある活動は、そのままでは一般消費者になかなか届かない。
「大切だ」「必要だ」という大義だけではなく、
楽しさやおもしろさといった要素も交えながら広く伝えてゆけたらと思う。
何より僕自身が楽しみながら。
勉強すればするほど、
資本主義という搾取と背中合わせのシステムへの違和感が増していった。
命に代えても守りたい愛しい存在を迎え、僕は、
この子たちの生きる未来の日本、そして地球を少しでも自然な形に戻したいと
いま真剣に願う。
東洋、特に日本で培われてきた、自然と一体である人間、命という感覚、
分かち合うこと、和するということ……そうした価値観を思うと、
何かを足してゆくのではなく余計なものを削ぎ落とすことのほうが
現代の僕らには必要だとも感じる。
ただ日本人が日本人であることを思い出す、日本人に戻ってゆくことが、
僕らの住む世界がより自然な在り方に戻ってゆくためのインパクトになるのではないか。
何より僕ら大人ひとりひとりがそれぞれのしあわせを生きていること。
メディアや常識に持たされたしあわせの形ではなく、
それぞれのたましいがこれと掴んだしあわせの形を。
「パパは毎日楽しそう。ボクも早く大人になりたい!!! 」
子どもたちにそんなふうに言われる大人になりたいじゃないか。
そんな世界が叶ったらステキじゃないか。
持続可能な社会を、僕ら日本人から。
まじめな事をおもしろおかしく妄想しながら、今日も農家さんに会いにゆく。
これが僕のKeyPage……。
掲載日:2017年08月04日(金)
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