1,000万円の借金を抱えて、これから先一人でどう生きていくかを考えました。
みんなと同じように働こうとも思いましたが、周りの友達は普通に就職して、
どんなことにお金を使おうかと考えている中、私は給料のほとんどを借金の返済に当てられてしまいます。
お金のためだけに働くなんてとてもつまらない。
どんな状況でも楽しく生きたい。
そんな時、求人情報誌で見つけた「着ぐるみを着て幼稚園で劇を観せる仕事」を始めました。
子供が好きな私にはピッタリの仕事でしたが、お金にはなりません。
借金を滞納し、だましだまし生活していました。
楽しみといえば友達と遊ぶ事だけでした。
スノーボードに行き、普段から「どうなってもいいや」と思っていた私は
上級者用のジャンプ台に無謀に飛び込み、大怪我をしてしまいました。
後十字靭帯及び内側側副靱帯断裂(こうじゅうじじんたいおよびないそくそくふくじんたいだんれつ)。
簡単に言うと、超大ケガ。
全治2年と言われました。
症例が珍しすぎて、病院をたらい回しにされ、何ヶ月も手術を待たされました。
この先の事を考えると、とても苦痛で、
明るさだけが取り得だった私が別人のように暗くなってしまいました。
来る日も来る日もベッドの上から動けない生活です。
お先真っ暗で、何をしても楽しいと感じず、人生のどん底でした。
なんとか手術をしてくれる先生が見つかり、9時間にわたる大手術を終えました。
これから長いリハビリ生活が始まります。
しかし、そんなリハビリ生活も楽しむ事ができました。
初めて彼女ができたから!
彼女は大阪に住んでいたので遠距離恋愛でしたが、
毎日Skypeで話をしました。おかげで辛いリハビリも乗り越えられました。
お金持ち、クオーター、有名企業に勤めながらモデルをしていて、頭が良い。
特待生として有名大学を卒業していて、授業料は免除されていました。
最低ランクの大学で1,000万の借金を作ったフリーターの私とは相反する存在です。
松葉杖が外れた頃、彼女に同棲しようと言われ、3日後には大阪で同棲していました。
大阪では、通信機器やPCのクレーム対応、旅行添乗員、外回りの営業など、足のリハビリを続けながら職を転々としました。
彼女とも楽しく過ごせて、給料も安定し、生活はできていました。
けれど、彼女と自分との差に劣等感や物足りなさを感じていました。
人生を楽しみ切らないともったいない。
やっぱり楽しい仕事をしなければダメだ。
掲載日:2017年08月25日(金)
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