貧乏な家庭に生まれた私ですが、楽しい事が大好きで、子供の頃は毎日友達と遊び、楽しく過ごしていました。
物心ついた頃から「楽しいか楽しくないか」が全ての判断基準になっていました。
勉強が得意で、13才で英検準2級を取得すると、
「自分は努力しなくてもいい高校に行ける」
と思いこみました。
実際、家から一番近い進学校に無難に推薦で合格しました。
「勉強なんて余裕だわ。」
当時は調子に乗っていました。
しかし、いざ高校に入学すると
「何のために勉強しているのだろう?
全然楽しくないし。将来やりたい事なんて無い。
仕事とかつまらなそうだし。」
と考えてしまい、授業中はずっと音楽やラジオを聞いていました。
もちろん、成績はみるみる下がっていきました。
高校時代はバイトに明け暮れる毎日でした。将来に何の期待も持っていなかったので
「進学も就職も楽しくなさそう。一生高校生でいたい。」
そう友達に言っていました。
しかし友達は「大学に行けば4年間遊べる」と教えてくれました。
私の思いは簡単に揺らぎ、大学に行きたいと思いました。
しかし、受験勉強なんてしていません。今更何の役に立つとも思えない勉強をする気もありません。
そんな時「指定校推薦」のポスターを見つけました。
そこには、おそらく全国でも偏差値の低い部類に入る大学の名前がありました。
「ここなら勉強しなくても楽に大学に行ける!学歴なんてどうでもいいし! 」
そんな軽率な思いで、大学に入学したのが大きな間違いでした。
家計が苦しかったので、奨学金を借りて大学に通いました。
軽音楽部に入り、バンド活動とバイトに明け暮れ、4年間を過ごしていました。
当時の僕にとって一番楽しいことは音楽でした。
バイト代のほとんどは生活費として両親に渡していましたが、
家族は助け合うものだと当たり前に思っていたので、仕方がないものと割り切っていました。
ある事件が起こるまでは……
掲載日:2017年08月25日(金)
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