池松佳菜絵 Episode3:確かな気持ちで夢は叶う | KeyPage(キーページ):起業家の「人生を変えたキッカケ」を届けるメディア

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それからは夢にまでみたディズニーホテルで働く毎日が始まった。小学校から夢にまでみた…けれど、現実はそうじゃなかった。

早朝からバタバタ働いて、気がつけば真夜中。上下関係も厳しいから、それから先輩の仕事が終わるのを待って仮眠室へ。すると、寝られる時間は1時間ちょっとなんてザラだった。激務を終えても、寝られる時間は1時間足らず。また目が覚めれば厳しい人間関係の中での激務の毎日。そんな日々を送っているうちに、どんどん体力も気力も奪われていった。やっと叶った夢への想いと向上心は確かにあるにも関わらず、思うように働くことができない日々が続いてしまう。すると気がつけば私には、“仕事ができない新入社員”というイメージがついてしまったいた。


それでも頑張ったけれど、胃腸炎、めまいなど体調を崩しがちになった。そんなある日のこと、遂に身体にがたがきてしまう。

目の前の景色がぐるぐる渦を巻くようだった。

すると私は、気がつけば座り込んでしまっていた。しかもそれは、夢の国を楽しみにきている、お客さんの前で。

ハッと目が覚めると、仮眠室まで運ばれて、そこで3時間もの時間が経っていた。私、本当に疲れているんだ。

その頃だった。「サロン」の存在を知ったのは。疲れた自分を癒してあげるために、美容サロン、エステサロン、色んなサロンに通い詰めるように。

「私ならもっとこういうサロンにするのにな―。」

そんな漠然とした思いが頭を頻繁によぎったが、疲れ果てていた私は、その声が後に繋がるものになるなんて考えもつかなかった。

人生を左右するような大事なヒントは案外、日常の見過ごしてしまうような、とても些細なことに潜みこんでいたりするのかもしれない。

2011年。24歳になった私は変わらずディズニーで働いていた。すると、決定的な出来事が起こる。それは「東日本大震災」だった。

目の前で泣きわめく人、慌てふためく人―。たくさんの人の波の中、みんなどうすればいいのかと、何かにしがみつこうと必死になっていた。

目の前の状況、次にいつくるか分からない揺れ―私もすごく恐かった。初めて“自分の死”を意識した。でも、

「大丈夫ですよー!」

次の瞬間私は、ゲスト(お客さん)に向かって、こう声をかけていた。
周りのキャスト(従業員)も、

「落ち着いて、その場に座ってください!大丈夫ですから!」

しかもみんな笑顔で。
突然の出来事にも関わらず、バイトの子でさえ、とっくに退勤時間は過ぎているのに、残って小さい子にお絵かきを教えてあげたりしている。

こんな状況でも、“キャスト”で居続けることを忘れない、こんな精神を持たせることができるディズニーって、なんてすごいんだろう。

それらの全てが、私をまるごと揺り動かした。

“後悔のない人生にしよう。”
決して偽りでない、心の底から沸き上がった気持ちだった。


今まで私には、ひとつだけ、どうしても見ないふりをしていた夢があった。

それは“本場、アメリカのディズニーで働くこと”。

英語が全く話せず、お金がなかったので留学にも行けず、この夢だけは初めから諦めていた。
しかし、震災を機に「いつ死ぬか分からないからこそ、挑戦しよう」と決めた私は、その後すぐに、一人のひとに偶然出会う。それは、なんと“アメリカのディズニーで働いたことのある人”だったのだ。なんて偶然。もはや、必然?

また現実が、徐々に次のどこかへと動き出しているような予感がした―。

私、全然英語が話せないの。

「いや、僕も全然喋られないよ!全然いけるって!」

本当に?

何かを始める前、それが自分の中で重要なことであればあるほど、足取りは重くなる。けれど、その言葉を聞いた途端、大きな何かが私を押した。

ここからはもう、頭より先に身体が動く。

ノンストップでさっそく応募資格を調べてみると「TOEIC650点以上の方」。その時は到底手が届かない点数だったけれど、決めたのだから揺らがなかった。それから知り合いの帰国子女に英語を教わって、夢中で勉強をした。

「私、やることはやったよな。」

しかし、英語が流暢に話せるところまではいかなかった私は、最後の悪あがきに、過去に出題された3つの質問だけを完璧に覚え、意を決して面接に挑んだ。


結果は、

合格。


なんと、面接直前に覚えておいた質問のうちの1つを、まるっきりそのまま、面接で聞かれたのだ。まるでシナリオかのように…。

晴れてその1年後、私はフロリダのウォルトディズニーワールドで働きだす。

掲載日:2019年06月07日(金)

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株式会社MARRY代表取締役

池松佳菜絵(いけまつ かなえ)

幼少期からの夢を20代前半で叶えてしまい、アメリカで独り、燃え尽き症候群に。幾度となく人生のどん底に突き落とされるも、その果てに“本当の幸せ”に辿り着いた池松さん。その中で得た“多くの気付き”を人々と分かち合いたいと、他人の為に働きかける彼女が、ここに辿り着くまでの思考の変化と、彼女流の夢の叶え方を紐解きます。

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