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キッカケインタビュー

キャリアウーマン志向だった私が、ゆるく生きると決めたキッカケ

黒須 真里奈(くろす まりな)

OL(貿易事務)
KeyPage運営メンバー

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キッカケ記事

いま何やってるの?
英語スキルを活かし、派遣社員として航空貨物の輸入手配業務に従事。その一方で2016年3月に結婚し、パートナーとのベストな関係作りや、将来の子育てを見据えた子供と触れ合う経験づくりなどに取り組む。KeyPage運営メンバー内では主に補佐業務を担当。

「優等生」であることを常に意識していた黒須 真里奈さん。
その価値観が本来の自分ではなく、偽りであることに気付き向かうべき方向性に気づいたキッカケとは?

キッカケ①:型にはまった生活を変えたくなったキッカケ

その日まで私は、「優等生」で「頑張り屋」だった。

けれどそれは、自分のことを苦しめていた
手放したら、楽になった。


小中高と女子校に通っていた私。
上質なウールで作られたセーラー服に、厳しい校則、カトリック教育、男子との交流の制限。
典型的な『お嬢様学校』だった。
グループ行動が基本で、トイレにいつも一緒に行く「つれしょん」はよく見る光景。
スクールカーストもあったし、12年間メンバーの入れ替わりがほとんどない閉鎖的な環境だった。


私はその一つ一つに対して、これでいいのかなといつも疑問を持っていた。
価値観が凝り固まっていて、プライドも高かった当時の私は、クラスメイトよりも上に行きたい!と思うようになった。
誰よりもいい大学に行って、誰よりも活躍したい…!
そして、『大奥』のような女子校生活を経験したことで、「女性らしさ=陰湿さ」と思うようになった。
「女の子っぽい女の子」をとにかく否定して嫌うようになった。


それと、家の中では、弟に対する劣等感が強かった。
弟は要領がよく、気が利くし、優しい。
対して私は、どんくさいし、気が利かないし、他人を心配したりすることが上手くできなかった。
大人になって、それは発達の遅れが原因だと分かったけれど。
当時、「遅い」とか、「なんでこんなこともできないの」とよく怒られていた私は、なんで自分はこんなダメ人間なんだろう、消えたい、とよく思っていた。

キッカケ②:自分を「認めてもらう」ために行動し続ける毎日

そのうち、無意識に「いい子でいなきゃ」「頑張って早くできるようにならなきゃ」「気配りできるようにならなきゃ」と、自分で自分を縛るようになった。
と同時に、褒めてもらえる、「勉強ができる」という部分を伸ばそう、とも思うようになった。


受験勉強を必死に頑張って、都内の有名大学に進学した。
大学でも、いい成績が取れるように授業や課題に一生懸命取り組んだ。
大学までは片道2時間半かかったけれど、落とした単位は1個もなかったし、成績も、AやBを取ってきた。


…と、こんな感じで。
私は「優等生でありたい」という想いを支えにして、必死になって生きてきた。
けれどそれは同時に、周りに敵を作って、どこか見下して、そして何より自分の心をいつも傷つけるということだった。
そのことに、ずっと気づかなかった。


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2015年、社会人4年目の夏に、キャリアアップを目指して転職した。
それまでは成田空港で航空貨物の輸入手配の仕事をしていたけれど、就活生の時に目指していた商社業界に飛び込むことになった。
小学校5年生から英会話スクールに通って、大学で英文学を専攻していた私の夢は、英語を活かして、バシッとスーツを着て、アメリカに海外出張して日本とアメリカの懸け橋になるという、バリバリのキャリアウーマンになることだった。


新しい職場での私は、まさにその通りになった。
デジタルパーマをかけたミディアムの黒髪に、スーツカンパニーで買ったグレーのスーツと、黒カバンを身に着け、オリエンタルトラフィックのヒール靴を履いて、お客さんのところへ営業に行った。
週に1回はアメリカとの電話会議。
ゆくゆくは、アメリカ西海岸に出張するチャンスがあった。


どんどんと輝いていく私。とてもわくわくしていた。


けれど、自己承認欲求を満たせば満たすほど、同棲していた彼氏との関係が、なんとなくギスギスしていくように感じた。

私は、彼との結婚を考えて、職場が都内で、お給料も高い会社に転職したのに。


それなのに、どうして。

キッカケ③:ふとしたキッカケで気づいた価値観

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ある日、電車の中で、持ち運びサイズの女性向けキャリア雑誌を読んでいた。
その時はグローバル企業で働く女性たちの英語学習法が特集されていて、10人くらいの「キャリアウーマン」の記事が掲載されていた。
帰国子女の先輩達に囲まれて英語コンプレックスを抱えていた私は、自分なりに工夫して英語を勉強して、会社でも「デキる女性」なその人たちを、目を輝かせながら見ていた。
「自分もこんな風になろう…!」と思い、とてもウキウキした気持ちだった。


すると、彼氏が横から覗き込んで、こう言った。
「なんかこの人たち、みんなどぎつそう…。」


私は、はっとした。
自分が憧れていて、カッコイイと思っていたものが、そんな風に映っていたなんて。
けれど、彼氏との間にあった目に見えないギスギス感はこれだったのかと納得できた。


確かに、今の私は「どぎつい」。
自分のキャリアのことばかり考えていて、自分は優秀なんだと必死に自分に言い聞かせていて。
難しい営業や交渉をこなせるようになろうと、男性的になろうとして。
自分や他人のことを、とにかく上だ下だと比較して評価して。
朝は電話会議だからと早めに家を出て、夜に仕事を家に持ち帰ってきたこともあって。
結婚を考えている彼氏とはバランスが取れなくなってきて。


「これは、私が望んでいるものじゃない。」
私の中で、信念とか曲がったプライドとか脆い自尊心だとか、いろいろなものが混ざり合って出来ていた壁のようなものが、ガラガラと音を立てて崩れた感じがした。


そんな時、友人に誘われて参加したカフェ会で、自分の夢を発表する機会があった。
ワークシートとにらめっこしていたら、ふっと「ゆるっと主婦」という言葉が降りてきた。


「私は、「ゆるく」なりたいんだね、幸せな結婚生活を送りたいんだね。」
自分の中から出てきた言葉に驚いて、でもそれはしっくりくる言葉だった。


別の友人とグループセッションをしていて、その「ゆるっと主婦」という価値観はより明確になった。
私は女子校で、女性の嫌な面を見てしまったから、「女性らしさ」を今まで否定してきたんだ。
けれど、何もバリバリの上昇志向の高いキャリアウーマンじゃなくても、明るくて気さくでしなやかで、それでいてふんわりとした雰囲気の女性でいることも、ジメジメで陰湿な女性の反対になるんだな、と気づいた。

キッカケ④:本当の理想像を追求するようになったキッカケ

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そんな私に、彼氏はアニメ版『美味しんぼ』の「女の華」という話を勧めてくれた。
男性社会の寿司職人の世界に飛び込み、男性従業員を従えて店を仕切っていた女性。
お客さんからの一言がキッカケで、女性特有の「美しさ・きめ細やかさ・気配り」を活かすことの大切さに気付くというストーリー。
「どぎつい」と言われ自分の在り方に疑問を持った私にリンクする内容だった。


私は、どぎつさを手放すために、「力」を手放した。肩肘張らずにゆるく行こう、そしてパートナーを立て、パートナーをサポートする立場になろう、と決めた。


それからいろいろあって(話すととても長くなる)、私は正社員の職を手放した。
先輩からは「履歴書にキズが付く」と言われたけれど、そんなことは気にしない。
入籍もしたことだから、バリバリ仕事するのではなくて、サポート役に回って、勤務時間も少なくしたい。
そう考えた結果、派遣の仕事をしながら、好きな活動をすることに決めた。
その流れの中で、この『Key Page』にかかわるようになった。


これからどうしていくか、明確には決めてない。
ただ、「ゆるっと主婦」により近づくように、どういった働き方や生活スタイルが自分たち夫婦にとって心地いいか、追い求めていくと思う。
今の私の夢は、夫を支え、子供を産んで、あたたかな家庭を築くことだから。


いつか振り返って思うんだろう、キャリア雑誌を読んでいたあの日が、価値観の大きなターニングポイントだったと。
頑張らなきゃ、優秀にならなきゃという鎖を外した、Key Pageだったんだ。


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掲載日:2016年10月10日(月)

鍵人No.0031

黒須 真里奈(くろす まりな)

上智大学文学部英文学科卒業。
卒業後は物流業界大手に就職し、その後キャリアアップの為に専門商社に転職。
しかし、仕事内容の理想と現実のギャップや、パートナーとの今後の関係性に悩んだ結果、キャリアを一度「手放す」ことを決意。
2016年4月に専業主婦・学童保育でのアルバイトを経験し、現在はフォワーダーにて派遣社員として勤務。

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